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転倒して骨折!ー服薬への対応ー【青山さん編】

ケアマネジャーの解説

基礎疾患を持つ人の支援について

ケアマネジャーは生活のアセスメントやモニタリングに時間を割かれてしまうため、病歴や服薬について詳細を把握をすることが困難なことがあります。しかし、本人の病歴や服薬に関する情報は、医療介護の連携には欠かせない情報ですので、把握して記録に残すよう心がけましょう。

本人が体調不良を訴えた時や、ケアマネジャーが異変を感じた時など、その時の医療情報を把握していることでスムーズに医療につなげることができます。
体調不良の原因が病気かもしれませんし、薬の副作用かもしれません。医療従事者に的確な情報を提供し、早期に対応してもらう準備をしておきましょう。

ケアプランを作成する際には必要がない情報だと思っても、多職種からみると重要な情報ということもあるので、新しい情報が得られた時には多職種間で情報共有しましょう。
また、医療従事者から病気や服薬に関する注意点などのアドバイスを受けられるよう、日ごろから連携をとっておくように心がけましょう。

薬剤師の解説

同じ効果の薬の重複に注意

青山さんは以前から消炎鎮痛薬のロキソプロフェンNaと胃粘膜保護薬のレバミピドを服用していました。
大腿骨を骨折し、退院時にセレコキシブ錠(消炎鎮痛薬)と、胃粘膜保護薬のテプレノンカプセルが処方されました。

入院時など、お薬手帳の提出をしていなかったり、普段使用している薬を伝えていないと、このように同じ作用の薬が重複して処方されてしまうことがあります。名前が異なるため、一見重複に気づきにくいことがあるため注意してください。
どちらかの処方医に問い合わせ、すでに痛み止めの服用があることを伝え、処方削除をしてもらいましょう。

服用回数が多すぎるとき

青山さんは毎食後、毎食直前と、1日6回の服用をしていました。
このように服用時点が多いと、それだけ服用間違いや飲み忘れのリスクは増えていきます。

青山さんが飲んでいる毎食直前の糖尿病治療薬は、食後過血糖に効果的な薬です。この薬は、食直前に飲み忘れてしまうと、たとえ飲み忘れに気づいて食後に飲んだとしても効果が減弱してしまう特徴があります。

糖尿病治療薬のように治療薬の種類が豊富にあるときは、服用時点が複雑な人や、服用回数が多い人は、薬を変更することで飲み忘れや飲み間違いを減らすことができるかもしれません。服用で困っていることがあれば、医師、薬剤師に相談してみましょう。

 

【執筆者】
吉松美津代(NPO法人千葉西地域包括多職種の会 代表・主任介護支援専門員・薬剤師・社会福祉士)
雜賀匡史(さいがケアファルマ合同会社 代表・薬剤師・介護支援専門員)

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更新日:2022年4月1日

投稿日 : 2022.04.01