事例検討をより良い介護を目指す研修の場に

事例検討をより良い介護を目指す研修の場に

事例検討がただ事例を紹介して終わりにならないために

株式会社プロシードジャパンでは、小中高校生向けに「社会と繋がり、働くことを意識できるようになる」教育ツールやプログラムの開発、運用などを手がけてきました、2019年頃から、これまで教育事業で培ってきたノウハウを活かして新たに医療・介護事業に進出したいと考えていました。医療・介護業界の関係者の方々と意見交換を重ね、2021年にNPO法人千葉西地域包括多職種の会の代表である吉松美津代さんとの出会いが、「ケアマネシチュエーションカード」の開発に繋がりました。

NPO法人千葉西地域包括多職種の会代表 吉松美津代さん

「介護現場の方は、皆さんとても優しい方が多いです。研修での事例検討の場において、事例を出している仲間に配慮して意見を言ったり指摘したりはせず、『とてもよく頑張っている。』と言って終わってしまう事が多くあります。私だったら、『もっとこうした方がいいんじゃないか。ああした方がいいんじゃないか。』とお互い言い合いたいのですが、事例を出して紹介して終わりでは、より良い介護を目指す研修の場にならないと思います。」

このような吉松さんが介護現場で抱く問題意識を聞き、事例検討の課題を解決するツールが作れるのではないかと考え、吉松さんの他にも雜賀匡史さん(さいがケアファルマ合同会社代表)にも監修者としてご協力いただきカードの開発を始めました。

ディスカッションを活発に行う事が可能になります

教科書や参考書ではないので、正しい知識を得ることが目的ではありません。ベテランの方だけではなく、新人や他の専門職種、さらには一般の方でも、足りない情報からディスカッションを誘発できるように、カードの情報は必要最低限にするように設計しています。

また、参加者が意見を出しやすくするためにカードで架空の利用者の情報にしているのも大きな特徴です。実際の事例を使用すると、自分の対応を指摘されていると感じて傷つく方もいるので、客観的に見られる情報に対して意見を言い合えるようにした方が良いと考えました。その方が自分のアイデアや経験も話しやすくなるし、ストレスなく事例検討が進むのではないでしょうか。

事例検討の際に困難な事例や特殊な事例を使用すると、利用者が特定されやすく、それによって意見が出しにくいと吉松さんは指摘します。

「地域ケア会議で困難な事例を出すと、そのような方の事は皆が把握しています。個人情報があるので、突っ込んだ意見を言いにくく、事例を深掘りする事ができません。そのため、なかなか事例検討会を開く事も難しいのですが、このカードを使えば、気軽に事例検討ができます。ケアマネジャーは、関わっている利用者さんが安定してくると、多様な事例を経験することが難しくなってきますが、常にいろいろな事態に対応できるよう見識を広げておく必要があります。このカードで他のケアマネジャーと議論を重ね、経験を積んでスキルアップしてほしいです。」

ご自身の経験なども踏まえ、白熱した議論が繰り広げられています

事業所内の研修から学生の実習まで幅広い場面で活用できます

ケアマネカードは昨年4月の発売開始以来、介護事業所はもちろん地域包括支援センター・社会福祉協議会・大学・薬剤師会等で導入され、事業所内の研修、他職種を交えたグループワーク、薬学部学生の実習まで、幅広く様々な場面で活用されています。また、対面での実施だけでなく、手元にカードがあればオンラインでの実施も可能です。2022年11月には、中小企業の優れた新製品を行政が後押しする千葉市の「トライアル発注認定事業認定商品」に選ばれました。(認定事業について詳しくはこちらをご覧ください。)

※写真は千葉市様ご提供(左:プロシードジャパン吉川亮、右:神谷俊一千葉市長)

監修の吉松さんは、ケアマネカードの可能性について次のように話しています。

「今後、高齢者支援のあり方も変わってくる中で、このカードを使うことによって、将来、地域の介護を担う世代が、『自分たちに何ができるのか』を考えるきっかけにもなるのではないでしょうか。」

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